フェーン現象とは

山風・谷風の説明をしたので引き続き山に関係するちょっと特殊な風について説明したいと思います。今回ご紹介するのはフェーン現象と呼ばれる現象です。日本でも時折この現象は発生し天気予報やニュースなどでも聞くことがあるので耳にしたことがある人も多いのではないかと思います。

そもそもフェーンとはドイツ語でFöhnと書き、山を越えて平地へ吹き下ろす乾燥した高温の風のことを指します。具体的には語源がドイツであるようにアルプスの北麓に吹きおろす局地風に名づけられたものです。
山を越えて平地へ吹き降ろす高い温度の風は、条件がそろえばアルプスに限らず色々なところで吹くことがあり、日本でも発生します。そこでこのように山を越えて高温の風が吹く現象をフェーン現象と呼ぶようになりました。

ではそのフェーン現象は一体どのような原理で発生するのでしょうか?山から吹きおろすと聞くと、高度の高い、つまにり温度の低いところからやってくる風だから冷たいような気もしてしまいますが、なぜ高温になるのか気になるところです。

日本でのフェーン現象は冬にも夏にも見られますが、冬は西風(日本海から太平洋に向う風)が吹くときに主に関東平野などの太平洋側で見られるのですが、この現象のメカニズムはこのサイトですでにご説明している気温減率が影響しています。(気温減率の説明はこちらからどうぞ)

図の説明をすると左が日本海側、真ん中の山が日本アルプスなどの山々、右側が太平洋側と考えてください。今日本列島上空を西風(あるいは北西の風)が吹いているとします。日本海上空を流れる空気は日本海の海水の蒸気の供給を受け湿った空気になります。

Fhon

湿った空気は日本アルプスにぶつかり斜面に沿って上昇します。このときの気温減率は湿潤断熱減率なので0.5度/100mとなります。日本海側の都市上空A地点で気温が10度だったとすると、3000m級の山脈を越えるときには風の温度は-5度と鳴っています(10 – 0.5 x 30)

すでに水蒸気が飽和している状態なので日本海側では雲が発生し雨が降ります。雨が降った後も風は西から東に向って流れますが、このとき空気に含まれる水蒸気の大半は雨になって地上に降り注いでいるので飽和状態ではない乾燥状態になります。
風は今度は山脈を吹きおろす形になりますが、このときは乾燥断熱減率である1度/100mで温度が変わりますので、地上では25度になります。日本海側では10度と冷たかった空気が、山を越えると25度もの高温になって吹きおろすのです。

このように山を越える前は湿った空気、吹きおろすときは乾燥した空気となることでことなる気温減率にそって断熱変化をするため山から吹きおろす風が温かくなる現象をフェーン現象と呼んでいます。

もちろん現実には山を登る風はA地点ですでに飽和状態に達しているわけではないので、B地点の温度はもう少し低くなり、C地点の温度も低くなるはずなので、蒸気の例のようにA地点とC地点で15度もの温度差が現れることはないです。

日本の夏は太平洋高気圧による南風が吹きますので、太平洋側が湿った空気、日本海側が乾燥した空気になり、図の左右が入れ替わるような説明になります。

もし山を駆け上る空気が飽和状態に達することなく雨が降らなければA地点とC地点の温度は同じになります。フェーン現象の原理だけを考えると山から吹きおろす風は暖かくなることはあれども冷たくなることはありません。では山から吹きおろす風が冷たくなることはないのでしょうか?この点を次回考察したいと思います。

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