雨が降る仕組み – 雲ができて雨にふるまで 2

前回までに地上付近の空気は太陽の熱で暖められるが、上空の空気は暖められない。結果的に地上付近の空気の温度のほうが高くなり、密度が小さくなって(軽くなって)上空に上昇していくということをお話しました。
今回は上空へと上昇していく空気塊に何が起きて雲が発生し、雨になるかというクライマックスを説明したいと思います。

高度があがると何が起きるか?代表的な例が気圧と大気温度が下がるということです。

まず気圧ですが、山登りをすると気圧が下がってポテトチップスの袋がパンパンになったり、お湯が沸騰する温度が下がるというのを聞いたり体験したことはないでしょうか?気圧とは地表から宇宙までの間の空気の層の重さによるものなので、上空に上がればあがるほど、作用する空気の量が少なくなるので気圧が減るのです。

空気に重さがあるの?と疑問に思う人がいるかもしれませんが、空気にも重さはあります。大体水の1000分の1くらいの重さです。起きているとき、寝ているときを問わずつねに体に作用する力なので普段感じることができませんが、我々は常に空気の重さを背負って生きているわけです。

温度についてですが、前回説明したとおり太陽光線は上空に漂う空気を直接熱することはほぼありません。基本的には太陽光、および地球内部の熱(地球の地下はマグマの塊ですから地下にもぐればもぐるほど熱くなります)が地上の空気を暖め、対流することで上空の空気も暖められるのです。

対流という言葉が出てきました。今回説明する内容がまさに対流とはなにかを説明するようなものなのでまだ分からなくてもいいです(理科で習ったとは思いますが)。上空にある空気ほど冷たいと理解していれば十分です。

話を戻しましょう。地表面が太陽で温められるのですが、その様子は一様ではなく地面がより黒っぽい色をしている、日陰ではなく太陽の光をより多く浴びやすい、乾いているなどより温まりやすい場所のほうが高い温度になります。周りと比べて局所的に良く暖められた空気の塊を空気塊といいますが、この空気塊に着目しましょう。

周りよりより温度が高い空気塊は上昇を始めます。高度が上がるにつれて気圧が下がります。ちょっと難しいので詳細は省きますが、このとき空気塊は断熱膨張をするため

EquationT: 温度、P:圧力、k:比熱比、

の式が成り立つので、分母の圧力が下がると温度も共に下がります。
注意すべきはこの温度低下の式は暖められた空気塊にのみ働きます。空気塊を囲む周りの空気は図に表す通り高度に対してすでに決まった温度分布をしています。

ある程度上昇した空気塊の温度が、周りの空気の温度よりまだ高ければ上昇が続きます。周りの空気の温度と同じになったところで上昇が止まります。これは上空の空気の温度分布とどれだけ空気塊が暖められるかによって異なりますが、今は雨が降る原理の説明をするのですぐに上昇は止まらずどんどん上昇を続けるとしましょう。

空気塊が上昇を続けると温度も下がっていきます。さて温度が下がると相対湿度はどうなるでしょう?

空気塊に含まれていた水蒸気は空気と共に上昇を続けるので水蒸気(絶対湿度)は減りません。一方温度が下がると飽和水蒸気量が少なくなるので相対湿度は上がっていきます。
するともうお分かりですね。空気塊が上昇を続けるとあるところで湿度が100%になり凝結が始まります。

こうして無数の数の水蒸気から凝結しした微小の水の粒が発生し、これが雲となります。
このときまだ水の粒が小さいため空気塊が上昇する風に乗って上昇を続けます。上昇を続けると共にさらに空気塊の温度が下がり、凝結する量が増えていきます。

するとこれまでは空気中にある程度の距離を保って発生していた水の粒が、集まりだし徐々に大きな水の粒に成長していくのです。水の粒が成長すると、重量が徐々に重くなり上昇気流にのって上昇するよりも降下する速度のほうが勝るようになり、いつしか雨として地上に降り注ぐのです。言葉で説明したものを図で表したものが下の図です。

Rain

いかがでしたでしょうか?
難しい部分もかなり出てきましたが、雨が降る原理の概要をこれで全部説明してきました。
もちろん、意図的に省略している部分もたくさんありますので、さらに学びたい方は物の本をご自身で勉強されることをお勧めします。

これで雨が降る仕組みシリーズを終わります。ありがとうございました。

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