雨が降る仕組み – 湿度とはなにか 3

前回までに空気中には水蒸気が含まれていて、含まれる水蒸気量が多ければより湿った空気、少なければ乾いた空気になると説明しました。日本では梅雨や夏ごろは水蒸気をたくさん含んだ湿った空気になり、冬は乾いた空気になります。

この空気がどれだけ湿っているか(乾いているか)を示す言葉が”湿度”です。天気予報でも良く耳にする言葉だと思うので聞いたことがないという人は余りいないと思います。呼んで字のごとく空気の湿り気の合いを表すという意味なのでなんとなくイメージはつきやすいと思いますが正確な定義を理解されている人は少ないと思います。

実は湿度と一言で言いますが、湿度にはいくつかの種類があります。代表的なものが

  1. 絶対湿度(容量絶対湿度)
  2. 相対湿度

の二つです。天気予報などで使われる湿度は2の相対湿度を示しています。ただ相対湿度を説明するには絶対湿度の概念を理解しないといけません。正確には重量絶対湿度と容量絶対湿度という言葉がありますが、ここでは容量絶対湿度について説明します。

絶対湿度(容量絶対湿度)

100度以下でも空気中には水蒸気が存在することはこれまで繰り返し説明してきましたが、空気中に水蒸気が無限に存在できるわけではなく、決まった量以内でしか水蒸気は存在できません。1m3(1メートル立方なので長さ1m x 横幅1m x 高さ1mの空間)に何グラム水蒸気が存在するかというあらわし方をしますので単位は[g/m3]です。

絶対湿度の特徴としては気温に関係なく何グラムの水蒸気が含まれているかをすぐに理解できる点です。つまり5g/m3といえば気温が10度であろうと30度であろうと1m3の空気に含まれる水蒸気量は5gです。詳しい説明は後でしますが相対湿度は実は水蒸気量と温度の2つのパラメーターによって変化します。絶対湿度は水蒸気量という1つのパラメーターのみに依存するのが特徴です。

では空気中に水蒸気は無限に存在することができるかというとそんなことはありません。水蒸気として存在できるようには限界があり、これは大気温度と共に変化し具体的には温度が高いほどより多くの水蒸気が存在できます。空気中に存在しえる最大の水蒸気量の飽和水蒸気量といい、通常絶対湿度と同じ[g/m3]であらわされます。

温度と飽和水蒸気量の関係は下の表を参照ください。

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20℃の空気中には17.34gの水蒸気が1m3の空間の中に存在できます。これが40℃になると51.22g、0℃では4.87gに変化します。この表からは0℃以下でも空気中には水蒸気が存在しえることが分かるのですが、これを説明するとさらにややこしくなるので今回は省略します。

では飽和水蒸気量の概念が分かったところで相対湿度の説明に移ります。

相対湿度

相対湿度とは飽和水蒸気量に対して、実際にどれだけの水蒸気が存在するかを示す言葉です。つまり相対湿度=絶対湿度÷飽和水蒸気量です。相対湿度の単位は%になります。
相対湿度が50%ということは飽和水蒸気量に達するまで半分の量であるという意味です。

飽和水蒸気量は説明の通り温度によって変化しますので、例えば10[g/m3]の水蒸気が空気中に存在すると絶対湿度で表しても、相対湿度が何%からは分かりません。そのときの温度も同時に分かって飽和蒸気量が分かることで相対湿度を求めることができます。

例を挙げると50%の湿度といっても空気中に含まれる水蒸気量はそのときの気温によって異なります。また空気に含まれる水蒸気量が同じでも温度が異なれば相対湿度は異なります。

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水蒸気量と温度の二つのパラメーターによって変化するので相対湿度が何%かを求めるのは少しややこしいのですが、相対湿度のメリットとしては温度によらず相対湿度の値が高いということはもうこれ以上水蒸気を空気中に蓄えられる量はすくなくてじめじめしている、あるいは逆にまだからっとした空気だから洗濯物が乾きやすいななど直感的に分かりやすいのです。

例えば天気予報が絶対湿度で発表されて今の湿度は10[g/m3]ですといわれても、なかなか実用性がありません。日常生活において知りたいのは10gという水蒸気の量ではなく、空気がじめじめしているのか乾いているかです。もちろん絶対湿度がまったく使えないというわけではありません。例えば除湿機など設計をするには湿度70%の空気を20%のに下げるという要求があったとしても、具体的にどれくらいの水蒸気量を取り除かなくてはいけないかこれでは分からず設計できません。例えば梅雨の25℃くらいの室温を想定して70%から20%まで落とすのであれば約10g/m3の水蒸気を取り除く能力を持たせる必要があります。このように場合よっては絶対湿度のほうが物理的により使い勝手のよい表記になります。

絶対湿度と相対湿度はどちらがよいというわけではなく、状況次第で使い分けるのがよく、日常生活を送る上では相対湿度のほうが使い勝手が良いということです。

これで湿度の説明は終わります。
次回は雲ができる過程について説明したいと思います。

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